■仕事のルール23「絶えず人を励まそう」
講演終了後突然質問されました。
「落ち込んでいるとき、どうやったら元気になりますか?」
「人それぞれ落ち込んだときの克服の仕方があると思いますが、私の場合落ち込んでいる時こそ人の相談に乗りいっしょに悩み同苦し、心の底から激励します」
「自分が落ち込んでいる時に他人を励ますことなんかできるのでしょうか?」
「他人の悩みを聞いていると、いかに自分が恵まれている環境にあるかが見えてきます。そしてその人に同情し、励ましているうちに落ち込んでいたはずが、どんどん勇気が出てきて、自分の置かれている環境に心から感謝できるようになるのです。一度やってみてください。理屈で説明してもピンとこないでしょうし、経験しなければわかりませんから・・・。実際のところ私の場合もの凄く力が涌き再度頑張る気になれます」
「なんでそんなに力が涌くのですか?」
「他人の相談に乗ることで、いかに自分が恵まれているのか、また一見大きそうな自分の問題がどんなに小さいかがわかります。それは他人を励ましているからこそ気が付くのです」
私は、最も尊敬しているリーダーが米国で言われた何気ない言葉を一生忘れることはできません。それがその後のわが人生の生き方の原点にもなりました。彼は質問してきました。
「人間に生まれてきて人生で最も幸せで尊い生き方とは、どのように生きることかわかりますか?」
「すみません、私はずっとその答えを追い求めてきました。しかし、未だにわかりません。ぜひ教えてください」
「それは、死ぬ最後の最後で損得勘定なしで一人でも多くの人を励まし、応援し続けることです!それをし続けると信じられないほどの力が湧き、強運になれますよ!」
私にとって「目からウロコ・・・」とはこのことでした。長年捜し求めてきた「人生をどう生きるか」の答えが、彼のその言葉の中にありました。自分にとって一生に何度もないであろう「悟りの境地」となりました。
それから20年。人を励ますことの大切さを仕事でも何度も経験させて頂いています。