■仕事のルール24「まわりの人のいいところだけを盗もう」
「あーあー。せっかくまともで色々学べると思って期待してたのに、課長は優柔不断だし、グループ・リーダーはめちゃくちゃ短気。挙句の果てに東大出てるから賢いと思っていた先輩は超丼勘定・・・。隣に座ってる佑子ちゃんはどけちで意地悪。私のまわりには誰も尊敬できる人がいないや・・・」
私が友人宅で仕事の打合せをしていたとき、帰宅したばかりの新入社員のお嬢さんがため息つきながら独り言。すかさず、聞くに堪えがたくなった友人は、お嬢さんに父親として一喝しました。
「お前、何を偉そうなこと言ってるんだ!お父さんだって上場企業の社長を10年以上やっとるが、欠点はいっぱいある!完璧な人間なんていないんだ。第一そんなの人間じゃない!人の欠点をけなす暇あったら、まず、彼らの長所を学べ!お前なんか彼らと比較ならないほど欠点があるぞ・・・」
少しはお酒の力もあったようですが、優しいはずの友人がこれほどの剣幕で叱り付けるのを見たのは初めてでした。ただ、指摘していることはまったくの同感で、さすが多くの人を使い見てきた上場会社の社長とあって「見事」の一言につきます。
初めて会って相手が素晴らしいと判断した場合、ずっと素晴らしくいてもらいたいという気持ちは誰しも持っていると思います。しかし、少し付き合っただけでどんな人間かを知り得るのは、非常に難しいことです。
人それぞれ長所・短所があり、それが人間の証とも言えます。現実的に自分の周りにデール・カーネギー、マハトマ・ガンジー、キューリー夫人、マザー・テレサなどのような立派な方々がいつもいることはあり得ないことです。
大事な事は、どんな人にも長所があるため、周りの人々から優れたところはどんどん謙虚に学び盗んでいくことではないでしょうか。
経営コンサルタントとして世界中で様々な会社と人を見てきて、一つのユニバーサルなルールに気づきました。 それは、周りの人からいいところだけ盗もうという謙虚な気持ちをずっと維持できるかどうかが、勝ち組に残る鍵になることです。