■仕事のルール25「嫌なことを誰よりも率先してやろう」
顧客先企業で打合せを終え、帰ろうとしてエレベーターに乗った瞬間、隣に立っていた若手女子社員が話しかけてきました。
「今お世話になっております経営企画室新入社員の○○○○○と申します。突然で失礼だと存じましたが、先日の社内研修でのご講演の際、困ったことや質問があれば、いつでも直接連絡くださいと言われておられましたので、お言葉に甘えましてぜひご相談させて頂ければと思い、勇気をだしてお声をかけさせて頂いております。こんなところで急に質問させて頂くの、ご迷惑でしょうか?」
「いや、大丈夫ですよ。次の顧客先に行くまで少し時間があるので・・・。何でしょう?」
エレベーターが開き、落ち着いて話もできそうもないので、会社1階にある喫茶室で引き続きお話を伺うことにしました。
「実は私は東大法学部を出て、上場企業の中で最も勢いがあり、若手にもチャンスを与えてくれるということでしたので、今年4月に当社に入社しました。最初は男女関係なく一緒の研修でしたので良かったのですが、今の経営企画室に入ってからは、秘書を除き、女性は私一人で、早朝より雑巾がけを含め掃除・お茶汲み電話応対まで、ほとんどすべて雑用は私一人に回ってきてます。たまたま、今の部署では新人は私一人ですが、たった1年しか違わない先輩たちは、それは新人の仕事だからと言って何もしてくれません。もう限界です。他の部署に回してもらえないようでしたら、会社を辞めようかと思っています・・・」
一流大学を出たのに「なんで私だけがこんなことを・・・」というエリート意識を私は彼女から垣間見たので、少し厳しく言いました。
「大変ですね。でもあなたは間違っています。掃除・お茶汲み・電話応対は立派な会社の仕事です。嫌なことなので誰もやりたがらないかも知れませんが、誰かがやらなければ会社は困ります。だったら、新人であるあなたが率先してやったらいいじゃないですか!安心して下さい。あなたのそんな仕事振りを見る人は見てますから。エリート意識が少しでもあれば快くできませんよ。自分との戦いです。一生掃除やお茶汲みをするわけじゃないですから・・・」
若いときには嫌なことをした分、人間として力がつきます。
ぜひ挑戦してみて下さい。