■仕事のルール41「毎朝経済紙を読もう」

 先日、ある講演会で毎朝経済新聞を読んでいるかどうかと質問したところ半数以上の人が読んでいないことがわかり驚きました。もっとショックだったのは、読んでいない人のほとんどが新入社員と若手社員だったからです。

 私たちが新入社員や若手だった頃は、世の中の経済を理解するのに、またその動きに付いて行く為、毎朝経済新聞を隅々まで徹底的に読みました。

 さらに、誰かからいきなり記事のコメントを求められるのが怖くて、読まないわけにはいきませんでした。それでもどうして記事になったことが起きたのか、また細かい理解までできず、自分の知識不足と理解力の乏しさに焦りを感じたものでした。

 いま、顧問先の会社でも若手社員と朝礼や打合せなどをしているときに、少し専門的な話をするとキョトンとした顔をしています。気になるので質問したら、答えられません。こちらが知らないことにビックリしていると、知らなくても「誰も教えてくれなかったからあたりまえでしょ!」と言わんばかりの顔をしています。あまりひどい時は、「今朝の新聞に載ってたし、第一常識ですよね!」厭味の一つでも言いたくなります。

 ちなみに、アメリカのビジネスエリート達は年齢にかかわらず、毎朝よく経済新聞を熟読しています。私が新入社員のころ、アメリカ人上司が毎朝経済新聞を6紙読んでいると聞き、まずいと思い慌てて真似して同じ6紙をとり、更に日系経済紙2紙追加して必死に情報をとる努力をしてました。それが日本に帰国した今でも日課となり、毎朝日本経済新聞から始まり8つの新聞を読んでいます。

 新聞を会社に着くまでに読み切るため、私は会社には車では通いません。電車のみです。毎日続けていると、お陰様で満員電車の中でもまったく人の邪魔をしないで、端から端まで複数の新聞を読むテクニックを身に付けられました。

 将来会社を担っていかなければならない若手社員が、基礎的情報源である経済新聞を読まないとなると、その時点で負け組に入る大きな原因を作っているのではないでしょうか。

 新人時代は会社について行くのがやっとです。

 経済紙くらいは読まないとビジネスの常識から取り残されることでしょう。