■仕事のルール45「誰に対しても平等に」
あなたは相手の立場にかかわらず、上司や同僚、後輩など、皆に同じ態度で接することができるでしょうか?上司に挨拶をする時の態度と、後輩に挨拶を返す時の態度は、同じでしょうか?これは難しいことですよね。
役職が上の幹部に対しては、自然と声は大きくなり、お辞儀も深くなるし、後輩に対しては、挨拶も軽い声かけになるでしょう。お辞儀も会釈程度ではありませんか?
私は長年アメリカで生活をしてきましたが、アメリカ人のよい所の一つに、誰にでも平等に接する、ということが挙げられます。矛盾する様ですが、アメリカ人には多種多様の人間がいるために、現実にはまだまだ人種差別の壁は残っています。特に、アメリカ南部のテキサス州に長くいた私は、アジア人であることを強く意識しながら生活しなければなりませんでした。しかし、だからこそ多民族が争わず仲良く暮らしていくために不可欠な、平等意識が非常に高く、人に接する態度に大変気を配っています。
誰に対してもフレンドリーで、上司に対しても「ボブ」「キャシー」とファーストネームで呼び、部下や家族に対する親しさと変わりません。もちろん肌の色や職業の違いによっても、ほとんど態度に違いはありません(やはりゴマすり人間はいますが)。
では、日本ではどうでしょうか?
単一民族国家である日本では、人種による差別はほとんど存在しませんが、その分、立場や性別、職業などの違いで、大いに差別があると私は思います。
上司に対する態度は丁寧で、部下に対する態度は雑になり、そして毎日事務所を掃除してくれる清掃業者さんにはどうでしょうか?
私は日常的に、誰に対しても敬語を使うように心がけています。部下にも、友人にも、家族以外の人には、敬語を使っています。できるだけ立場の違いによって、態度を変えたくないからです。
誰に対しても平等に接することができる人は、どんな人でも尊敬できる人です。
そんな違いがあっても、相手を認めて尊重できる「寛容の精神」は、これからのボーダレスで多様の時代においては、なくてはならないものだと思います。