■仕事のルール53「言われる前に自分から率先してやろう」

 人間というものはとにかく自分中心に考えがちです。

仕事をする上でも、やはり自分のペースで進めたいもの。上司から「あの書類はまだか?」と言われると、今やろうと思っていたのに!と憤慨してしまいますよね。

 ある意味「自分中心」で人間社会が成り立っているとするならば、仕事も自分中心で進めていけるリズムを自分で作ればいいのです。「言われる前にやる」というリズムを。

 会社は、あなたを雇用した以上、当然のことですが、あなたに給料に見合うだけの働きを期待しています。それはあなたも納得済みで就職したはずです。

 そして、あなたが期待以上の働きをしてくれるなら、その報酬として昇給があり、昇進があるわけです。ならば、常に知恵や勘を働かせて、上司が何を望んでいるのか、会社が何を自分に要求しているのかを、いち早く察知して専念したほうが得ですよね。

 今、世間では「勝ち組」「負け組」という言葉が流行っていますが、本当の人生の勝ち負けは最後までわかりません。勝敗は人生の一場面をとっただけでは判断できません。

 しかし、色々な人生の局面で、あなたの選択の価値判断が正しかったか間違っていたか、つまり損をしたのか得をしたのか、ということの集大成が、最終的な勝ち負けを決めていくのではないでしょうか?

 そう考えると、一日一日、仕事の上でも「勝ち組」を目指して努力をしたほうが得です。上司に言われなくても、早く出勤して掃除をする。自分の仕事以外であっても、何かできることはないか、常に考えて行動する。そんな面倒くさいことなんて、マジメに働いても損だ、と思うかもしれませんが、これは会社のため人のためのようで、実は自分のためになっていることに気付いてください。何事も率先してやるということが、上司に認められ、まわりの評価となり、必ずあなたの得することとなるのですから。

 つまり、ちょっと人より知恵を働かせ、機転を利かせて人より多く働くことは、一見損しているように見えます。実は、全部自分に帰ってきて得をするという、究極の「自分中心」の生き方になっているのですね。