■仕事のルール62「電話に出られない場合は{接客中}と伝えてもらおう」
実際にあったケースです。
「お電話ありがとうございます。株式会社○○○○でございます」
「△△△株式会社社長の安田と申しますが、斎藤専務お願いいたします」
「いつもお世話になっております。あいにく、ただ今斎藤は会議に出ておりますが・・・」
「それでは、吉田常務か大山部長はおられますか?」
「申し訳ございません、吉田も大山も同じ会議に出ております・・・。戻りましたら、お伝え致しますが、何かご伝言はございますか?」
「う~ん、困ったな・・・、ちょっと急いでおりまして・・・。何時くらいにその会議終わりますか?」
「もう終わる予定ですが、長引いているようでございます・・・」
「わかりました。それではどなたか戻られましたら、△△△社の安田まで至急電話頂きたいとお伝え頂きますか?」
「かしこまりました。そのようにお伝え致します・・・」
この後、会議を終えて、斎藤専務、吉田常務、大山部長は戻ってはきましたが、会議が長引いたことから三人とも遅れてしまった次のアポに飛んで行ってしまった。ですので、安田社長には電話できませんでした。
これは非常に問題です。
なぜなら、△△△社は○○○社の顧客候補であり、安田社長は実は取引の提案書の件で至急誰かに連絡を取りたがっていたのです。○○○社には社内会議で誰とも連絡がとれずその後も連絡がもらえませんでした。
つまり「あなたからの電話より社内イベントのほうが大事です」と言われたようなものです。結局、よくある話ですが、気を悪くした安田社長は内定していた△△△社との取引を白紙に戻しました。
このような場合、正直に「会議中」と言うより「接客中」と伝える方がベターです。顧客の方は、接客なら自分同等(顧客)とのアポであるため、顧客を大切にしているとの理由から納得できます。
即ちこの方が顧客に敬意を払っているのです。「嘘も方便」とはこのことでしょう。