■仕事のルール64「何事にも、誠実に対応しよう」
ある時、営業に配属になったばかりの新入社員が先輩に付き添って飛び込みで営業先候補の会社を訪問しました。着くなり先輩から一喝。
「僕も入社してすぐに一人で営業やらされたから、君もここからは一人でやってごらん」
「は~?先輩!それは・・・。まだ、営業の何もわかっておりませんが・・・」
「何言ってるんだよ!既に営業研修受けたじゃない。実際に営業の実演やったでしょう。」
「は・・・い・・・。でもあれはあくまでもロールプレイでしたので・・・」
「いいからやってごらん!そうじゃなきゃ、いつまでたっても営業できないよ!」
「・・・」
その会社の受付前で、こんな会話をしていた時、そこの社長が帰ってきました。
「お帰りなさいませ、社長!先程からこちらの方が社長にご挨拶したいと待っておられますが・・・」
と受付嬢が紹介してくれました。
「何でしょう?」
「はい、人材紹介業をやっております○○○株式会社の萩原と申します。新任でこの地域担当となりましたので、ご挨拶にまいりました」
「それはわざわざありがとう。ただ、うちは紹介会社を使わないから、悪いけど遠慮しておくよ!」
こんな会話から始まった心もとない営業だったが、そんとその新人はこの三ヶ月後にその会社から仕事をとってきました。理由は簡単です。毎日のようにその会社に行き、なんでも困っていることのお手伝いをしたため、社長はその新人の直向な態度からくる誠実さに心打たれたとのこと。遂に専属でその会社との契約を獲得。
私も同様の経験があります。
米国ではありましたが、新卒で入社間もない頃、ひたすら営業先企業の社長さんの相談に乗りお手伝いしたところ、初めての私の顧客になって頂きました。ビジネスの上で必要とされている経験・知識・自信は当時まったくありませんでしたので、先方からの質問やリクエストにただひたすら誠実に全力で応えるだけでした。
その時、国は変われど、誠実は最高の戦術であり営業ツールだと痛感しました。