■仕事のルール65「先輩に敬意を払おう」
仕事ができる先輩、あまり芳しくない先輩、優しい先輩、冷たい先輩などさまざまな先輩がいるでしょう。全ての人に同じように対応するのは難しいでしょうし、それを推奨しようとは思っていません。恩をうけた人にはそれなりの対応をするのは当たり前です。
ここで言いたいのは「一日の長」ということです。自分よりも長く生きている人のことですが、仕事の面では特に一年二年は大きな差です。それだけ大きな経験をどんなタイプのの先輩に対しても、敬意を払わなければならない理由は分かるでしょう。
「年長者を大切にしろということですね?」
そうでもあり、そうでもないのです。ただ単純に大切にしろというのではありません。意見の対立を見たとしても、先輩の意見をよく聞き、その意見にあわせて自分でもう一度検討してみる。もちろん、さまざまなシミュレーションもしましょう。相手の意見をきちんと検討し、検証した上で自分の意見が正しいと導き出されたのなら、それをきちんと話す。
単純に「年上の言うことを聞く」のでは敬意を払ったことにはなりません。
きちんと検討することこそ、敬意を払うことになるのです。
もちろん、無理難題を言われることもあるでしょう。それでも「検討」してみるのです。その態度は、必ず先輩に伝わるはずです。
米国で国際会計・経営コンサルティング会社に入社したとき、私の能力は他の新入社員に比べ著しく劣っていました。先輩方が、経験・知識・専門能力のない私になぜ高いレベルの仕事を頼んでくるのか分かりませんでした。当初は苛めとしか考えられませんでした。
しかし、自分が部下を持つようになってわかりました。あの先輩方の厳しさがあったから、必死に自分を磨くことに毎日専念できたのだと。今は本当にあの先輩方に感謝しています。
敬意を払うことは、盲信することでも、服従することでもありません。
そこをしっかり理解した上で、先輩に敬意を払った行動をとることはとても重要なことなのです。