■仕事のルール71「感動したことを話そう」

 本を読んだり映画を観たら、感動することがあるでしょう。その感動した感情はどうしていますか?恋人と一緒に映画にを観たら、本当の気持ちを隠して、相手にあわせたりしていませんか?

 自分の本当の気持ちを表に出すことは、簡単なようで難しいものです。

 小泉純一郎首相の言葉で「感動した!」というのがありました。ケガを押して土俵にたった横綱貴乃花(現貴乃花親方)が優勝を決めたときに、トロフィーを渡す際に叫んだ一言です。

 「痛みに耐えてよく頑張った」という言葉が頭に来ていたんですね。このように、どんな物に関しても感動したら、その理由があるはずなんです。

 感動を人に話すことは、その時の自分の動きを説明する必要があります。分かってもらうため、共感してもらうためには、整理して話さないといけません。感情的に話しているだけでは伝わらないのです。同じ映画を見ているひとならば、ある程度、勢いで伝わる可能性はありますが、同じところに感動していなかった場合は、「自分はなぜ、どんな理由」でそこに感動したのか、やはり説明しなければいけないでしょう。

 小説などはなおさら困難かもしれません。文字だけを追うわけですから、たとえ同じ本を読んでいたとしても、登場人物の容姿などはそれぞれ違うでしょうし、部屋の作りなども違っているはずです。

 その中で、物語を説明し、感動した箇所を説明し、そしてどういう理由で感動したのか相手にわかるように説明するのです。

 なぜ、感動したことを話さなければならないのでしょうか。

 感想文を書けばいいじゃないか。果たしてそうでしょうか。相手の反応はその相手がその場にいないとわかりません。仕事でも説明しなければいけない場合には、秩序立てて語らなければいけない場面はたくさん出てくるのです。  自分の感動したこともきちんと説明できないようでは、仕事上相手を納得させることは難しいと言えます。きちんと状況などを整理して説明し、相手を説得する、その訓練のためには、感動したことを人にきちんと伝えることは早道なのです。