■仕事のルール74「出会いを大切に」

 日本には、お年寄りから生まれた赤ちゃんまで入れて、1億3千万人がいます。80歳まで生きるとして、生まれた瞬間から年間20人の新たな人に出会い続けたとしても、1600人にしかなりません。月に20人出会ったとしても、1万9200人です。それほど、その人と出会うことは貴重なのです。

 年間20人とすると人生で1600人。その人は1600分の1ですが1億3000万人の1でもあるのです。それほどの確率でせっかく出会ったのですから、そのままにしておくのはもったいないですよね。

 仕事で多くの人に出会うとしても、一生で1600人はかなり難しい数であるでしょう。生まれた直後の出会いは本人は分からないわけですし、会社を退職してしまうと、なかなか新たな人に出会う機会は減っていきます。

 先日、ベンチャービジネスで成功した若手起業家の会に参加しました。彼らになぜ成功できたのかを伺ったところ、皆さん一様に「運がよかったから」と言います。じゃあ、なぜ運がよくなったかと聞きますと、「いい人と出会ったから」とか「ビジネスパートナーとの出会いがあった」というのです。

 何においても成功に欠かせないことは「いい出会い」だと講演の度に私は話しています。なぜ「いい出会い」が成功に必要かと言いますと、いい人がいい情報やビジネスチャンスを持ってきてくれるからです。

 人間、能力があると言っても、一人の人間ができることは限られています。ビル・ゲイツにしても、マイケル・デルにしても、勿論、能力があったのは言うまでもありませんが、いい人に出会い、協力・支援してもらえたからこそ、若くして短期間で世界的な企業を創り上げ、莫大な個人資産も築き上げることができました。

 人との出会いを大切にすれば、ビジネスはもちろん、人生にも大きな価値と幸運が生まれます。その人の価値観、人生観、死生観など語り合うこともできますし、それによって自分の中に新たな考え方も生まれるのです。

 せっかく出会えたのですから、自分の人生の中でも、その出会いを色のあるものにしようではありませんか。