■仕事のルール83「聞く前にまず自分で答えをだしてみよう」

 「わからないことがあったらとにかく質問しよう!」と推奨しています。しかし、聞く前にまず自分で答えを出すことも薦めます。まったくわからないのに聞かないのも困りますが、考えもしないで答えを最初から聞くのは、「私はバカです」と言っているようなものです。

 「わからない」という現象には、2種類があると思っています。

 1つは「どんなに考えても答えがでてこない」状態。そしてもう一つが「話を聞いた直後の今わからない」です。

 自分が質問される立場だと考えて見ましょう。何か仕事上の指示をだした途端、すぐに質問されたらどう思いますか?

 「自分で考えろ!」って思いますよね。質問にはその仕方というのがあるのです。まずは、間違えてもいいから自分で考えてみます。もちろん、考えの過程も明らかにしていきます。そして、答えが出たときに、上司に「これはこれこれ、こういうことで、こうすればいいのですか?」と、何をどう考えて導かれた答えかわかるように質問すればいいのです。

 質問は、ただ「聞く」という意味ではありません。考えて導き出した答え、あるいは考えても導き出せなかった経緯を明らかにして、ものを問うのです。

 新入社員時代、超忙しい上司についた私は、まったくわからなければ質問はしましたが、その前に徹底的に調べました。ただでさえ頭が悪いことで上司に迷惑をかけていましたので、自分でできることはまずやり、上司の時間と手間をとらせないようにしました。

 どんなことでも、立ち止まって自分で考える習慣をつけましょう。

 自分で考えて出した答えは、間違えていたとしても無駄にはならないのです。答えの正邪よりも、その考える過程がもっと大事です。なぜなら、考え方や過程が正しければ、次からはその問題に関しては、正しい答えが出せます。でも、たまたま答えが合ってしまった場合、考え方や過程が正しくなければ、次回からまた同じ問題で行き詰まるでしょう。

 何でもまず人に答えを聞くのではなく、自分で考える癖をつければ、創造力や問題解決力が飛躍的に伸びるでしょう。ビジネスにおいて、答えは必ずしも一つではなく、複数あることはよくあります。

 従って、自分なりの答えを見つけ自分なりの方法で実行することも、一人前の社会人としては当たり前のことです。