■仕事のルール87「会議中、相手から書類を渡されたらまず上司に見せよう」
取引相手と会議をする場合、判断を下せる人、決定権を持つ人が双方にいるはずです。あなたにとっては、それは上司ということになるでしょう。会議中たまたま座っている位置から便宜上、相手はあなたに書類を手渡しすることもあります。また、取引相手があなたを介して、決定権のある上司に書類を渡してもらおうと思い、あなたに差し出してくることもあります。
この場合、場の雰囲気の読めない人、気遣いができない人は、自分に見る様暗示されたものと勘違いし、上司に回すどころか、上司差し置いてその内容を読み始めます。
私は何度となくこの場面に出くわしました。それも、ある時は書類を差し出した側で、ある時は受け取る側です。相手の意思決定者に見てもらうために差し出した書類がそうならず、部下が読み始めた時、「頼むから上司に見せてくれ!」と思わず心の中で叫びます。会議中その書類が相手方の上司に行くまで場を保たなければならないからです。下手に説明を続けると、資料なしでは理解不足になり、再度説明しなければなりません。最悪の場合、時間切れで説明が再度できない時は、通常相手方の上司は内容を正しく理解していません。
また、逆のケースもあります。
私はスピード経営を心がけていますので、何でもできるだけ早く決断を下します。初めての件でも、忙しいこともあり、できれば会議中に決めたいのが本音です。一度理解してしまえば時間をかけて考えても結論は変りませんので。
しかし、部下がその意思決定に必要な資料を即刻私に回してくれない時は、かなりストレスがたまります。相手方の説明はよく理解できないし、そのため判断もできなくなるからです。
何も言われなくても、取引相手に書類を渡されたらすぐに上司に見せましょう。決定権を持ってない人が、最初に見る必要はないのです。例えメモ書きでも、重要なものである可能性もあります。上司から見せられ意見を求められた際、初めて書類を読みコメントすればよいのです。
とにかく、決定権のないうちは、自分で勝手な判断をしないことがビジネスの基本的なルールであることを覚えておいて下さい。
また、取引先との会議はいつも真剣勝負の戦いである事も忘れないで下さい。