■仕事のルール89「業務日報は事務的な作業にせず反省に使おう」

 業務日報のない会社も最近出てきましたが、私は日報はつけるべきだと思っています。一日のはじめに、今日やるべきことのリストの成果を評価することが必要だからです。

 そのために業務日報は最適なものです。多少時間が掛かっても毎日つけることです。リスト通りに仕事ができたのか、リストの中の何に手間取ったのか、その理由はなんだったのか。そういう仕事については、その日のうちにきちんと考察すべきなのです。

 単純に、スケジュールを書き込んでいてはもったいないです。

 どちらにしろ、時間をとられるのなら、その日の朝に計画したことと、実施したことを比較すべきなのです。いわゆる反省ですね。

 その日に反省し対策を考えておけば、次の日に引っ張ることはありません。それよりも、次の日にはその反省と対策に基づいた行動をすぐに起こせるでしょう。

 一日の終わりにその日を振り返ることは、心と仕事の整理整頓にもつながります。それが仕事の効率を上げることにもなるのです。

 会計事務所・弁護士事務所、コンサルティング会社などプロフェッショナル・ファームと言われるところでは、緻密なタイム・シートを毎日書くことになっています。会社によって違いますが、私がいた米国の大手国際会計・経営コンサルティング会社の場合、そのタイム・シートでは30分毎にどのクライアントに何の仕事をしたかを、毎日具体的につけなければなりませんでした。そのため、みんな仕事の効率とスピードをかなり意識して行動して

いました。1分1秒惜しんで仕事する、正に真剣勝負という感じです。当時は機械みたいで嫌でしたが、タイム・シートを毎日つけたお陰で、プロとしてより効率よく仕事をする方法を毎日追求しては実行し、それを体で覚えさせられた思いです。

 タイム・シートのことを思うと、業務日報を書くのは比較にならないほど楽です。私の会社では業務日報を書くことを義務づけていますが、業務日報を毎日欠かさず出せない人は信用しません。

 仕事においても、毎日のコツコツとした努力の積み重ねとその反省ができる人のみ結果が出せるからです。