■仕事のルール91「まず結論から言おう」 

 「起承転結」という言葉があります。この順番に文章を書くと、良い文章になるといわれているものです。

  「起」・・・問題提起

  「承」・・・起をうけ

  「転」・・・起・承に対して反論を展開し

  「結」・・・全体を結んで結論づける。

 基はといえば漢詩、特に絶句の構成法がその原点です。この起承転結、数学の証明問題でも使われています。この形が論理的に一番すんなりいく形なのでしょう。

 しかし、会話はリズムです。また、口から出した瞬間から過去になってしまい、正確に戻ることも難しくなります。起承転結で話をしようと思っても、途中で質問されたり、同意されたりなどで他の人が割り込んでくると、なかなか「結」までいかないことも多いでしょう。

 特にビジネスでは、長々と最初に説明を行っても、興味を示してくれる可能性は低いのです。

 そこで、まず結論から話し始めましょう。

 例えば、商品を売るために人と話したとします。その商品は、軽さが売りのOA機器と仮定しましょう。

 「従来のOA機器は、重たく、持ち運びに不便という問題がありました」

 「そこで、その問題を何とか解決できないかと、弊社では技術部門が一丸となって、バッテリー部分を小さくしたのです」

 「でも、それで短時間しか連続利用できないようでは、持ち運びができるというこの商品の特徴は生かせません。試行錯誤の末、ようやく問題が解決しました」

 「これが、6時間の充電で12時間連続利用できるOA機器です。胸ポケットに入るくらい軽いのです!」という話と、

 「これは胸ポケットに入るほど軽いOA機器です」と結論を言ったほうが、興味を持ちませんか?顧客は細かい技術や、開発過程よりもその結果が重要なのです。結果に興味を持てば、「なぜそんなことができたの?」と質問されるかもしれません。結論以外の話全てを相手に伝える必要はないし、相手も知りたいとも思わないかも知れません。

 まずは、結論。これが相手の興味を引く魅力的なビジネス会話術です。  商談の際、重要なのは課程よりも結果ですから。