■仕事のルール94「批判や評論している暇があれば自分を磨こう」

 いまや「一億総評論家」時代です。

 芸能はもとより政治に関しても、経済に関しても誰もが批判や評論をしています。勿論、その標的は社会的な話題に限ったことではありません。ビジネス街のランチタイムのレストランで、あるいは終業後の居酒屋で、会社の経営方針から上司に対する評価、批判、評論を行っている場面に出くわすことはよくあります。

 少し前までは、アルコールの入った席で日頃の鬱憤を晴らすというものが主流でした。いわゆる「愚痴」ですね。いまは愚痴なんてかわいいものではなく、痛烈な非難・中傷に変りつつあります。しかし、人のことを評論や批判をしている時間があったら、自分を顧みる方が、自分の成長のためになることに気づいて欲しいのです。

 評論や批判は自分を主体として他人に向けて行いますね。

 自分は蚊帳の外か、自分は正しいという立脚点です。そこには、自分が成長するポイントはありません。もしも、評論・批判をしたいのなら、「自分はああいったことはしない」という反面教師というとらえ方をしないと、自分の身にはつきません。

 そんな、人の話をしている時間があるのなら、自分を磨く方がよほど有意義です。何も、終業後にスクールに通いなさいといっているのではありません。好きな本を読む、好きな音楽を聴きに行く、趣味のサークルに参加する。それでも十分に自分を磨くことになります。勿論、帰宅途中で語学を習いに行くのも、ビジネススクールに通うのもいいと思います。

 同僚と一緒にいることが全て悪いわけでもありません。それも、自分を磨く手がかりになることだって十分あります。その時には、単純に他人の評論をするのではなく、同僚の仕事の進め方や、学生時代の体験など、自分と違った経験を語り合うだけでも、自分を磨く材料になります。

 全ての時間を自分磨きに使おうと言っているのでもないのです。

 「自分を磨こう」という気持ちが大事なのです。それは意識しないとなかなか身につくものではありません。日頃から、「自分を高める」、「自分を磨く」という意識を持ち続けることなのです。そうすれば、他人のことを評価している時間がいかに無駄なことか気づいてくるはずです。

 どこに行くにも何をしていても、自分を磨く行動が実は成功の基となるのです。