■仕事のルール95「意見や提案に反対するときは、明確な理由と代替案を出そう」

 会議や上司の指示、同僚との会話などのなかで、意見の相違や結論の違い、あるいは全く理解のできないことなど出てくることでしょう。その時には、闇雲に反対するのではなく、筋の通った反対理由が必要となります。

 例えば、誰かが一ヶ月かけて考えた提案を、綿密で詳細な資料とともに提出したと仮定します。上司へのプレゼンテーションの練習もしました。台詞も熟考して印象に残る言葉を使っています。会議の参加者に配る書類の誤字脱字のチェックもし、カラーで印刷。この企画に賭ける気持ちもしっかりと表現しました。一見完璧です。

 プレゼンテーションも終わり、会議参加者も資料を読みながらペンを走らせている状態の時に、ある人が一言「これ、なんとなく駄目なきがする」と口走ったらどう思いますか?

 まず「なぜ駄目だと思うのでしょうか?」と提案者は聞くでしょう。すると相手は「いやだから何となく」と答えたらどう感じるでしょうか?

 会議とは不思議なもので、何気ない一つの発言で流れが一気に変ってしまいます。何となく、というのはわからないでもありません。きっと、インパクトに欠けるとか、新しいものが見えてこないとか、言葉にしづらい何かが欠けているということなのでしょう。

 しかし、言われた人にしてみれば、「そんなの理由にならないよ!」と不満爆発ですよね。ですから、提案などに反対を唱える場合は、可能な限り具体的にどこがどう自分とは意見が違うのかを明確にする必要があるのです。そうすれば、回答者も対応のしようがあります。単純に説明し忘れていたり、書類に書き忘れていただけで、明確に反対意見に対する回答を出し、会議も引き続き前向きに進められます。

 また、時間がたってから反対意見をだす場合には、代替案を考えて一緒に提案すると、より効果的です。比較検討するものがある方が、より具体的で前向きになれるからです。

 仕事では、具体性が重視されます。「イメージ」という言葉が多用される昨今ですが、イメージを具体化していくのがビジネスです。

 自分の心無い一言で、大事な会議の流れを大きく変えてしまう可能性があることを心して、もし、反対する場合、合理的で明確な理由と代替案を出すのがマナーでしょう。