■仕事のルール24「まわりの人のいいところだけを盗もう」

 「あーあー。せっかくまともで色々学べると思って期待してたのに、課長は優柔不断だし、グループ・リーダーはめちゃくちゃ短気。挙句の果てに東大出てるから賢いと思っていた先輩は超丼勘定・・・。隣に座ってる佑子ちゃんはどけちで意地悪。私のまわりには誰も尊敬できる人がいないや・・・」

 私が友人宅で仕事の打合せをしていたとき、帰宅したばかりの新入社員のお嬢さんがため息つきながら独り言。すかさず、聞くに堪えがたくなった友人は、お嬢さんに父親として一喝しました。

 「お前、何を偉そうなこと言ってるんだ!お父さんだって上場企業の社長を10年以上やっとるが、欠点はいっぱいある!完璧な人間なんていないんだ。第一そんなの人間じゃない!人の欠点をけなす暇あったら、まず、彼らの長所を学べ!お前なんか彼らと比較ならないほど欠点があるぞ・・・」

 少しはお酒の力もあったようですが、優しいはずの友人がこれほどの剣幕で叱り付けるのを見たのは初めてでした。ただ、指摘していることはまったくの同感で、さすが多くの人を使い見てきた上場会社の社長とあって「見事」の一言につきます。

 初めて会って相手が素晴らしいと判断した場合、ずっと素晴らしくいてもらいたいという気持ちは誰しも持っていると思います。しかし、少し付き合っただけでどんな人間かを知り得るのは、非常に難しいことです。

 人それぞれ長所・短所があり、それが人間の証とも言えます。現実的に自分の周りにデール・カーネギー、マハトマ・ガンジー、キューリー夫人、マザー・テレサなどのような立派な方々がいつもいることはあり得ないことです。

 大事な事は、どんな人にも長所があるため、周りの人々から優れたところはどんどん謙虚に学び盗んでいくことではないでしょうか。

 経営コンサルタントとして世界中で様々な会社と人を見てきて、一つのユニバーサルなルールに気づきました。  それは、周りの人からいいところだけ盗もうという謙虚な気持ちをずっと維持できるかどうかが、勝ち組に残る鍵になることです。

■仕事のルール23「絶えず人を励まそう」

 講演終了後突然質問されました。

 「落ち込んでいるとき、どうやったら元気になりますか?」

 「人それぞれ落ち込んだときの克服の仕方があると思いますが、私の場合落ち込んでいる時こそ人の相談に乗りいっしょに悩み同苦し、心の底から激励します」

 「自分が落ち込んでいる時に他人を励ますことなんかできるのでしょうか?」

 「他人の悩みを聞いていると、いかに自分が恵まれている環境にあるかが見えてきます。そしてその人に同情し、励ましているうちに落ち込んでいたはずが、どんどん勇気が出てきて、自分の置かれている環境に心から感謝できるようになるのです。一度やってみてください。理屈で説明してもピンとこないでしょうし、経験しなければわかりませんから・・・。実際のところ私の場合もの凄く力が涌き再度頑張る気になれます」

 「なんでそんなに力が涌くのですか?」

 「他人の相談に乗ることで、いかに自分が恵まれているのか、また一見大きそうな自分の問題がどんなに小さいかがわかります。それは他人を励ましているからこそ気が付くのです」

 私は、最も尊敬しているリーダーが米国で言われた何気ない言葉を一生忘れることはできません。それがその後のわが人生の生き方の原点にもなりました。彼は質問してきました。

 「人間に生まれてきて人生で最も幸せで尊い生き方とは、どのように生きることかわかりますか?」

 「すみません、私はずっとその答えを追い求めてきました。しかし、未だにわかりません。ぜひ教えてください」

 「それは、死ぬ最後の最後で損得勘定なしで一人でも多くの人を励まし、応援し続けることです!それをし続けると信じられないほどの力が湧き、強運になれますよ!」

 私にとって「目からウロコ・・・」とはこのことでした。長年捜し求めてきた「人生をどう生きるか」の答えが、彼のその言葉の中にありました。自分にとって一生に何度もないであろう「悟りの境地」となりました。

 それから20年。人を励ますことの大切さを仕事でも何度も経験させて頂いています。

■仕事のルール22「常にまわりの人に感謝の意を表そう」

 ほとんどの人が職場の人間関係で苦しんでいます。理由は様ざまですが、多くの場合、上司、先輩、同僚、部下など誰かと馬が合わないからです。なぜ馬が合わないのでしょう?その理由を普通、人は価値観・考え方・生き方・性格・育ちが違うからと言うでしょう。

 しかし、それは違います。却って違うバックグラウンドを持っていた方がお互い補い合って上手くいく場合も結構あります。

 実は人間関係で上手くいかない本当の理由は、あなたが相手を認めないし相手もあなたを認めないからです。つまり嫌い同士になってしまっているからです。

 では、どうしたらお互い尊重し合えるのでしょう?それは意外に簡単なのです。常時感謝の意を表すことです。

 考えてみてください。

 常にあなたに感謝してくれる人をそもそも嫌いになりますか?

 そんな人を無視したり苛めたりする気になりますか?

 却ってあなたもその人に感謝の念を持つでしょう。また、好きになるでしょう。

 ですので、職場でいい人間関係を作りたかったら、周りの人に絶えず言葉で感謝の気持ちをしっかり伝え続けることです。自己満足で終わらせないためにも、相手の心の底からわかるまでです。

 実際に人間一人ではたいしたことはできません。

 誰か、特にまわりの人の理解や応援が必要です。私たちは知らず知らずのうちに数多くの人にお世話になっています。一見自分ひとりの力でできたように映ることもあります。しかし、それとて冷静に分析してみると、色々な人の協力や助けがあっての賜物です。

 従って、例え些細なことでも、何かしてもらったらなら、心から感謝の意を表しましょう!

 その感謝の気持ちを表現するタイミングは、早ければ早いほどより誠意が伝わりますので、すぐにやりましょう!

 嘘だと思ったら、ぜひ試してみてください。

 昨日まで敵だったはずの人が、急に味方になります。

 感謝の意を表すということは、相手に対してそれだけ強力かつポジティブなインパクトを与える「特効薬」なのです。

■仕事のルール21「ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブでいこう」

 「僕は本当に運がないみたいです。こんなに運がないとそのうちこの会社も潰れるんじゃないかと真剣に心配しています。どうやったら運を呼び込むことができるのでしょうか?」

 ある一部上場会社を訪問した際、いきなり社長さんからこんな質問をされました。経営コンサルタントをしているとよく聞かれることです。

 たまたま社長さんから聞かれましたが、学生さんから聞かれても、新入の女性社員さんから聞かれてもいつも同じように答えます。運を呼び込むのに年齢性別・立場などはまったく関係ないからです。

 「運を呼び込む方法はあります。ただ、私流で誰か権威のお墨付きをもらった訳ではありませんが・・・」

 「いいです。それは何ですか?」

 「それを実践しても今すぐに運が良くなるのではありませんが、それでもいいのですか?」

 「構いません。少しずつでも良くなれば」

 「それでは、今日からはギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブを実行してください」

 「ギブ・アンド・ギブでなく、ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブですか?何が違うんでしょう?」

 「親の愛情のように見返りを一切期待せず、徹底的に人の相談に乗り手助けしてあげることです」

 「そんなんで、運がよくなりますか?」

 「はい、時間はかかりますが、着実に運は良くなります。なぜなら、それを実行することによって、社長の大ファンがどんどん増えていくのです。そのファンの人たちは社長を尊敬し大好きになりますから、いいことや大事な情報、つまり運を持って来てくれます。

 「なるほど、よくわかりました。今すぐ実行します」

 皆さんも実行してみて下さい。時間はかかりますが必ず運は良くなります。

■仕事のルール20「言葉の省略はやめよう」

 インターネットや携帯電話の普及のためか、言葉、特に固有名詞をできるだけ略す傾向があるように感じます。短くなることはいいこともありますが、社名や人の名前を略すことは時に失礼になったり混乱を招きます。

 若い人の間では社内で頻繁に使う固有名詞があると略して呼び始めます。

 便宜上社内だけで使っているうちはいいのですが、使い方や場面がわからない新入社員の多くは、社外でもどうどうと頻繁にその簡易な名称を使います。

 聞いた方は、新しい営業手法なのか、何かの英語名なのか、聞き慣れないその言葉を不思議に思います。理解に苦しむのは、その言葉の省略の意味が分かっている人同士で省略形を使うのはいいのですが、知る余地のない人にも平気で頻繁に使っていることです。

 先日もある会社で大事なお客さんを交えての会議がありました。

 「部長、○○○には来週打合せに行きます」

 「なんだ○○○というのは?」

 「○○○○○株式会社の略です」

 「お客様の会社のことを君たちはそんな風に普段略して言ってるのか?」

 「はい!何しろ社名が長いので・・・」

 「担当部署内で省略することは考えられるが、何もお客様の前で省略して呼ばなくてもいいだろう!第一お客様に失礼だろう!」

 「すみません。いつも使ってるのでついつい・・・他も略して呼んでますが・・・」

 顧客であるその会社の担当者は、歴史と由緒のある会社だけに便宜上とはいえ勝手に自分の会社名を略して呼ばれたことでさすがに不機嫌。

 その場にいた顧客弁護士も「なんて気配りのない社員だろう」とでも言わんばかりの呆れた顔。

 社名を省略しただけのことですが、時と場合により、非常に失礼になります。

 そもそも便利ということで何でもかんでも省略してしまっていいものか極めて疑問です。会社名が長いといっても、たかだか5文字が3文字になるだけでした。

 固有名詞はできるだけ省略するのはやめ、省略する場合は時と場所を選びたいものです。

■仕事のルール19「わからないことがあったらすぐ聞いたり復唱しよう」

 「課長、電話です」

 「誰?」

 「山口商事の大嶋さんです」

 「知らないなぁ・・・、営業の電話だろう。用件聞いて営業だったら断ってくれ。でなかったら、折り返し電話するということで、電話番号きいといて」

 「わかりました!」

 「課長、営業じゃないみたいでした。取引先で課長のこと良く知ってると言ってましたので電話番号きいておきました。これそのメモです」

 「おかしいな?そんな会社名でそんな名前の人知らないけどな・・・じゃあ電話してみるか!」

 「あれ?大木君、電話通じないぞ!電話番号違うんじゃないか?ちゃんと復唱して確認したか?」

 「あ!しませんでした。すみません・・・」

 「しょうがないな・・・大事なことだったら、またそのうち電話かけてくるだろう・・・それにしてもどこの誰だろう?」

 「課長、また電話がありました。たぶん先ほどの大嶋さんです」

 「お待たせしました。課長の安田です。 ああ!山田商事の大川社長さまですか!先程お電話頂いたのは社長でしたか!大変失礼しました。うちの入りたての社員が間違えまして・・・」

 「大木!いい加減にしろよ! あの電話、山口商事の大嶋ではなく山田商事の大川社長だ!うちの大事な取引先だ!」

 「すみません。あまりよく聞き取れませんでしたので・・・」

 「それならなんで、聞き返さなかったんだ! 第一お前なんで、電話かかってきたら番号だけでなく、社名や相手の名前のメモをとらないんだ!」

 皆さんはわからないことがあったら勇気を出して聞き返したり復唱してますか?

■仕事のルール18「絶えず会社への貢献度を考えて行動しよう」

 ケネディ大統領は演説の中で当時の米国民に言いました。

 「国から何かをしてもらうのではなく、国に対して何ができるかを考えよう!」

 この何気ない一言は他力本願の生き方を否定し、自分の力で社会に貢献していくことの大切さを説いています。

 今の日本にこの精神で生きられる人がどれだけいるでしょうか?

 むしろ「どうして自分は国からも誰からも助けて貰えないのだろう?」と被害者意識で生きてる人が多いのでは。

 特に若い頃は、お金・経験・ノウハウ・信用力・人脈など何もないためついつい会社や他人からの助けを期待してしまいます。頼めば何かしてくれるのではと考えがちです。

 力も何もない時にこそ、まず自力で体当たりしてみてください。そういう人は奥ゆかしいので周りの人がほっときません。黙ってても誰かが力を貸してくれます。

 成功者の共通点の一つに、人が欲しいものや困っていることを見つけて、それを解決するのが得意なことが挙げられます。

 できる事業家はニーズはあるのに、それに応える商品やサービスを誰も提供していないことをいち早く見つけ世に送り出します。

 せっかく何かをするのに誰にも貢献しないことをしていたとしたら時間の無駄になります。それは自己満足でしかありません。

 会社においても成果が出る出ないに係わらず、会社に貢献しようと一生懸命やっている社員は上司から見たら本当に可愛いものです。当たり前のことですが、評価の高い社員とそうでない社員は会社への貢献度で測られます。

 新人の頃どうしたら会社に貢献できるのかなかなか分からないでしょう。

 そんな時、上司や先輩に素直に謙虚に聞きましょう。みんながあなたに何をしてもらいたいか、どんなことに期待しているのかを。そうすれば、目指すべきこと、するべきことがわかり俄然力も湧き、成果もでやすくなります。  大事なことは、人間である以上ついつい独り善がりになりがちです。絶えず冷静かつ客観的に自分が会社に貢献している言動をとっているかを自問自答し、他人の評価もチェックも続けていくことです。

■仕事のルール17「職場で甘えたり、甘えた話し方をするのはやめよう」

 新入社員の話し方を聞いてぞっとしたことはありませんか?

 ある時、顧問先の会社に行き、たまたまその会社の入社したての新人女子社員の電話での会話を聞いて愕然としました。

 「あの~今部長はいないんですけどぉ~。どうしたらぁ~いいでしょうかぁ~」

 どこかでこの会話の調子聞いたことがあるな・・・。そうだ!女子高生の会話だ!確かに電車の中で女子高生同士で甘ったれたやりとりはこんな感じでした。

 この話し方を聞いて、戦場のような職場で必死に仕事をしている上司や先輩方はイライラするか、ショックを受けるのではないでしょうか?

 少なくとも私は、悲しくなりました。職場とプライベートな会話との区別がつかない社会人がいるのだと。

 見かねたので、たとえ顧問先だろうとそんな心無いコミュニケーションを続ける社員を見過ごすわけにはいかず注意しました。

 「あなたはここの給料をもらって働きに来ているのですよね?それとも、遊びにきているのですか?」

 本人はビックリして黙り続けていました。おそらく、外部の私が指摘したからかもしれませんが、生まれて初めてそんなこと言われましたという顔をして戸惑っています。

 長い間の学生生活でも、親に守られ甘えた言動をしてきた人も多いことでしょう。

 ただし、一度会社という戦場に入ったら、言動から一切の甘えを拝し真剣勝負を繰り返さないと、味方になるはずの先輩や上司が敵となり、足元をすくわれるでしょう。

 厳しく言ってくれるうちはまだ花です。周りから言われなくなったら、また無視されるようになったらもう臨終と考えてください。あなたはもう注意しても直らないどうしようもない問題社員と見られています。そうなったら、「もう来なくていいよ」と言われるのは時間の問題です。覚悟してください。

 職場で甘えた声で話したり、甘えた行動はやめましょう!  損をするのはあなたです。

■仕事のルール16「商品やサービスを売るのではなく、自分を売ろう」

 営業先でのこと。

 「社長!弊社はこの度業界初の画期的な商品を世に送り出しました。これがそうです。ぜひお試しください。どこが優れているかと申しますと・・・」

 「悪いけどその種の商品は今ので間に合っているし、コストもかかるから今は無理だなあ・・・第一、君の商品説明じゃあ難しくて何言ってるかわからないよ!忙しいから必要になったらこちらから連絡するよ」

 一方、営業の本質を捉えている人は、商品やサービスをうるのではなく、自分を好いてもらい自分を売っています。

 「社長、私は貴社が成功するのにぜひお役に立ちたいと心から懇願してまいりました。そのためには何でもお手伝いさせてください。弊社の商品は最初はコストがかかりますが、貴社の業務効率をあげることができるため、一年以内にそのコストの回収ができます。また、そうなるよう私が誠心誠意全力で対応させて頂きます!」

 「わかった!商品のことはどこも似たり寄ったりでよくわからんが、そのやる気の君が気に入ったから買うよ!誠実そうな君なら、例え商品に問題があったとしても、うちのために一生懸命やってくれそうだからな」

 このようにとにかく相手に好かれることが大事です。

 商品やサービスの評価は専門家でない顧客にはまず分かりません。

 ですので、ある程度商品やサービスの説明をしたらそれからは買う相手を信頼できるか好きになれるかがポイントです。

 商品やサービスが良くても、嫌いな相手からは買いません。

 私もそうですが、逆に相手を好きになってしまえば、多少商品やサービスのことがわからなくても、買ってもらえるケースはよくあります。

 と言うことは商品やサービスではなく、自分という人間を評価してもらい、好きになってもらえなければ成果はでません。

 自分のことを好きになってもらえれば大抵の場合、買ってもらえるのも実は時間の問題なのです。

■仕事のルール15「自分のイメージ作りを大切に」

 いろいろな話題を提供し一躍有名になったライブドアの堀江社長を嫌っている人が多いのに驚きます。

 先日もタクシーに乗った直後、運転手さんが不機嫌そうな様子で関西弁で捲くし立ててきました。

 「お客さん、ライブドアの堀江って野郎どう思いまっか?あっしらタクシー運転手仲間はけしからんと思っとるんですよ!みんな頭にきとる!若くして財を成したか知らんが、公の場にTシャツで出てきて挙句の果てに金に出来ないことはないとぬかしやがる!世の中舐めとんねん!あっしら暑い時も寒いときも、いつもお客様に感謝するんで、ちゃんとした格好してまんねん!当たり前やそんなん!金があるからって一人だけあの格好はないでっせ!やつ見るたびに腹たちますねん!」

 堀江社長の合理的な企業論理はわからないでもありません。ただ、世の中の人に共感を得るためには、謙虚なイメージ作りは非常に大事でしょう。ほとんどの人は理屈より、見た目で好き嫌いを判断してます。

 彼は謙虚な気持ちでできるだけ人に不快感を与えないようなイメージ作りをすれば、かなりの支持者を得るでしょう。つまり、余計なことでマイナス評価されずに済み、もっと多くの人から賛同や応援を得られるはずです。 

 所詮、人間は他の人からの応援や評価なしでは結果も出せませんし、生きてもいけません。

 米国でも堀江社長のようにどこに行くにもTシャツで通し、中身で勝負しようとしていた経営者がいました。

 ところが彼がいない酒の席で彼のことを誰一人よく言わないのです。性格は悪くないのにです。

 「あいつは人をバカにしているよな!我々は毎日我慢してスーツ着ているのに、あいつだけ楽な格好して!何様だと思ってるんだ!」

 「バカじゃないの?あんな格好して!」

 私が顧問をしていた会社のある社員は、いつも芸能人のような格好で来ていました。せっかく良いことを言うのに、変わり者として上司は評価しませんでした。

 彼は結局面白くなくて会社を辞めていきました。

 自分で自分の首を絞めるとはこのことではないでしょうか。

■仕事のルール14「まず、やってみよう」

 「今回の販売促進(販促)はインターネットで行いたいと思います」

 「は?インターネットで販促するのは初めてでしょ?具体的にどうやって商品情報の送り先を決めるの?」

 「これからグループの皆で考えます」

 「ちょっと待って!送り先も決まってないの?じゃあ、何人位に送るの?」

 「まだわかりませんが、時間が許す限り一人でも多くの人に送りたいです」

 「え!送りたい数も決まってないの? 第一そんなんで成果が期待できるの?もし、やってみて全然反応がなかったらどうするの?責任は誰がとるの?」

 こんな会話を会議室でよく聞きませんか?誰かが何か新しいことを提案した時にその場にいる現実派からよく聞く文句ですよね。

 新しく行うことの費用対効果や時間対効果を話し合うことは大事です。ただ、ネガティブな意見や批判評価をするのは、前向きに行う会議や打合せの雰囲気を壊し邪魔になります。

 大切なことは、行う前にメリットとデメリットや問題点を明確にし、失敗したら致命的なダメージをこうむらない限り、とりあえずまずやってみることです。

 エリート思考の人は、先々を考えすぎ、理論的な観点から問題点や上手くいかないことの理由をうんざりするほど指摘します。しかし、何事もやってみなければわかりません。

 ある程度議論し、成功する可能性もあるのであれば、まずやってみる勇気が必要です。

 元々米国生まれのコンビニエンス・ストア「セブン・イレブン」も当初は日本では成功しないと理論的に言われていました。しかし、まず、やってみました。

確かに問題点も出てきましたが、それらを乗り越えて日本でも大市場を作り上げたのです。

 マクドナルドも主食が米である日本人にはハンバーグ入りのパンなど売れる訳がないと見られていました。今では外食企業で一番の売り上げを誇っています。

 理屈なしでまずバカになって死に物狂いでやってみることです。

 行き詰ったらその時考えればいいじゃないですか!

■仕事のルール13「まわりの人からどんどん教えを請おう」

 「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」

 わからないことは恥ずかしがらず、その都度勇気をだして素直に聞いたほうがどんなに後々大きな恥をかかなくて済むかを指摘していますよね。

 中学一年生の時、知らないのに知っているふりをしていた私を察知するなり、担任の先生は大きな声でよくこの言葉を言われました。そのお陰で中学校を卒業するときには知らないことはなんでも人に聞けるようになりました。

 そんな私ですが、米国でプロの経営コンサルタントになってから、その原点を忘れ、知ったかぶりをして大失敗したことがあります。

 ちょっとした笑い話にもなりますが・・・・。

 それは経営コンサルタントとして独立仕立ての頃のことです。

 テキサス州政府の経済開発機構のアドバイザーに就任したのがきっかけで、同機構の長官と理事四人を連れて、テキサス州に進出することを検討していた日本の大手コンピューターメーカーA社の専務はせっかく遠路はるばる米国から日本に来たので、美味しい本場の日本料理をご馳走したいとのこと。それで半分通訳を兼ねた私を含め同機構の全員一流の料亭にご招待いただきました。

 料亭に到着後、A社の専務一行は社内打合せで遅れているので予約した懐石料理を先に食べ始めてほしいとのメッセージがありました。早速懐石料理が運ばれ始めました。が、長年米国に住んでいた関係で私は実は懐石料理を食べたことはありませんでしした。

 不安でしたが、女将さんに出されたものすべて食べていいのかどうか恥ずかしくて聞けません。

 彼女が部屋から去るのを見届けて、いきなり皿にのっているものすべて食べ始めたところ、米国人である全員が私の真似をして皿にのっているものすべて食べきってしまいました。

その直後、A社の専務が部屋に到着しました。そして、彼が一言。

「浜口さん、まさか皆さんにすべて食べれるとは言われてませんよね?でもアメリカ人って凄いな! 飾りまで食べちゃうんだもんな・・・」

 私は赤面と同時に額から脂汗が・・・・。 「一言女将さんに聞けばよかった」と後悔。

■仕事のルール12「アイデアや注意点が浮かんだらすぐ書き留めておこう」

 「あれ、なんだったけなあ・・・せっかくいい企画が浮かんでいたのに・・・。しまった!書き留めておけばよかった!」

 よくあることですよね。ちょっと書き留めておけばいいのですが、それが近くに筆記道具がなかったり面倒だったりで意外となかなか実行できません。

 また、違うケースでは・・・・・

 「浅田君、ここ間違ってるぞ!言ったじゃないか、打合せの時に!なんでちゃんと書き留めておかないんだ!君には気がつかなかったことだったんだから、書いておかないと僕が言った通り覚えていて正確に修正できるわけないじゃないか!しっかりしろよ!何回同じ事を言わせるんだよ、幼稚園生じゃあるまいし!」

 似たようなこと言われたことありませんか?

 私も新入社員のころ、よく先輩から同じようなことを言われていました。それでいつもどこに行く時もボールペンとメモ帳を持って行くようにしました。元々記憶力が極端に悪いのでアイデアや注意点が出てきたら、すぐに書き留めておかないと、忘れて二度と思い出せないのです。

 米国に住んでいた時も感心しました。

 一流と言われる人ほど、何かあったらすぐに書き留めていたからです。

 彼らはいつもどこでも平気でメモ帳を取り出して書き留めていました。

 おかげで私もメモ魔になりました。

 騙されたと思って実践してみてください。 まわりの人があなたはマメで一つ一つを

大事にする信頼できる人と見始めるでしょう。

 また絶えず書き留めている姿をみて、あなたのことを努力家かつ勉強家として好印象を持つでしょう。

 まわりの評価も大事ですが、徹底して行えば実質あなた自身の仕事の効率もビックリするほど良くなるでしょう。

 「人間は忘れる動物」ですから、いい加減な自分の記憶をあてにせず、素直に書き留 める癖をつけましょう!

■仕事のルール11「使わないものはためないでその都度すてよう」

 「渡部君、貸しておいたアンケートの集計表、返してくれる?」

 「はい、課長!」

 「午後に打合せで使うから午前中にね」

 「わかりました、すぐに・・・。あれ?確かにこの引き出しに入れてたのに・・・。なんでないのだろう?」

 「どれどれ見せてみろ。なんだこりゃ!書類でぐちゃぐちゃじゃないか!しかも、もういらないものばかりだぞ!これじゃ何がどこに入っているのか、わからないだろう!」

 「すみません、将来また必要になるんじゃないかと思うと、なかなか処分できなくて」

 「ばかやろう!こんな古い書類必要になるわけないだろう!いらないものはすべてすぐに捨てなさい!仕事が出来るやつは、将来使う可能性の低いものなんかは、すぐ捨てるぞ!第一パソコンにデータが入っているだろう!紙で残しておく理由まったくないよ。捨てる勇気をもたなきゃ!すべて今すぐ捨てろ!」

 「はい!確かに捨てるのには勇気がいりますよね・・・」

 「いいかよく聞け!捨てないとどんどんいらないものがたまって、本当に必要なものが

  どこにあるかわからなくなる。タイム・イズ・マネーだから、いらないものの中にい

  るものを探すのに大変な時間と労力を使うから、膨大なコストと精神的ストレスになるんだよ。

  お金は使っても取り戻せるが、失った時間は取り戻せないぞ!いらないものでも捨て

  るとなるともったいないとか将来困るんじゃないかと思うやつは、スピード社会についていけないよ」

 「意外と捨てるのは得るよりも難しい」

 と昔のアメリカ人上司は口癖のように言っていました。

 米国でも仕事が出来る人ほど、机の上も中もきれいです。

 今でもハッキリ覚えていますが、米国で一流の弁護士事務所のナンバーワン弁護士の部屋に通された時、あまりの綺麗さにビックリしました。

 なんだ仕事もしないのに請求ばかりする調子のいい弁護士かと思って一緒に仕事しところ、仕事のできることできること。なんと必要な情報はパソコンと頭に入っているから書類がいらないとのこと。

■仕事のルール10「会社の経費削減に気を使おう」

「どうせ会社経費で落ちるからどんどん飲み食いしようぜ!」

「多少交通費かかっても会社で負担してもらうから・・・」

「つけっぱなしにしてていいよ!会社から見ればエアコンや電気代なんて微々たるものだから・・・」

 なんか浅ましくありませんか?確かに会社が支払ってくれる経費なのかもしれません。但し、20年以上、日本アジアで経営コンサルタントをしてきて、出世する人、伸び

 る人、信頼される人とそうでない人との大きな違いの一つに、会社の経費削減を重視しているかどうかが挙げられます。

 公私混同していないからです。

 できる人、信頼される人の共通点は、リーダー的思考を持ち合わせていることです。

 すなわち会社に雇われていたとしても、オーナー的、社長的な発想で行動します。

 ですので、初めて会った人でも社長になれるかどうかは別にして、一社員でも将来の社長候補かどうかは、会社に対する発想や言動でわかります。

 会社の経費を使うことは悪いことではなく、費用対効果を重視して、会社に利益をもたらす経費の使い方をしているかどうかです。

 光熱代、飲食代、交通費、接待費などの経費は、例え一円たりともそれらを使うことによって会社に利益をもたらさなければ使ってはなりません。

 「公私の区別」をハッキリすべきです。

 これが出来ない人は、「小事が大事」で本物を見る目を持った人たちから相手にされなくなるでしょう。新人であればある程、この区別はきちっとしておくべきでしょう。

 人間の評価で大きく差がつくところはそうはないでしょう。

 会社の経費の使い方はその数少ない一つです。  そこで人間としての器が測れるものです。

■仕事のルール9「礼状はメールではなく手紙を書こう」

「安田君、昨夜は忙しい米山商事の米山社長にご馳走になったんだから、すぐに礼状出しとけよ!」

「部長、わかりました。すぐやります!」

「頼むぞ!中小企業とはいえ、うちにとっては大事なお客様なんだから」

「あー、できました!それでは部長だしておきます」

「え!内容は?ちょっと見せてみろ!」

「ええ!Eメール?それもたった2行?これじゃあもらった方も事務的に出しているのが伝わるぞ!そもそもこれでは形だけで心がこもっていないから礼状になってないぞ!ちゃんと手紙を書いて郵送しろよ!」

 昔は初めてお会いさせていただいた際は、すぐに丁寧な手紙(礼状)を書いたものです。最近はインターネットの普及に伴い、軽いEメールで礼状を送る人が随分と増えました。

 その方が早いし楽なのは理解できますが、頂いても礼状として受け止めにくいのではないでしょうか?

 もちろん、Eメールでも心のこもったものもあるので、手段は問題ではありませんが、インターネット時代で、みんなが軽いメールのやりとりをしている中、丁寧かつ誠意がこもった手紙を郵送でだすと、受け取った方も「若いのになかなか感心だな・・・」などとそれなりの評価を得ることでしょう。

 信頼を勝ち取るということは、そのような小さな心配りの積み重ねの結果です。

 今日のようなEメールでの簡単なメッセージでなんでもかんでもコミュニケーションを済まそうとしていると、誤解や誇張や説明不足で不信感を起こさせたり人間関係を壊す原因となります。

 相手に感謝し敬意を払いたいなら、時間をとって丁寧かつ誠意が伝わる文章で手紙を書きたいものです。 そうすることによって予想以上の人脈を構築でき、周りからの評価も高くなるでしょう。

■仕事のルール8「たまにはノミ二ケーションでもして本音で語り合おう」

 「みんなー、仕事もボチボチ切り上げて、今夜はこれから飲みにでもいこうか?」

 「課長、僕今日行けません・・・」

 「なんで?何か用事でもあるのか?」

 「ちょっと・・・・」

 「せっかく皆いるし、ちょっとくらいならいいだろう!」

 「既に予定があるので・・・・」

 こんな会話、職場でよく聞きませんか?

 近頃若手社員はあまり上司や先輩と夜食事や飲みに行きたがりません。

 仕事は就業時間内でやること。就業時間外はプライベートな時間。なので習い事に行ったり、デートしたり、趣味や仕事でのストレス発散のために時間を使いたがります。

 確かに明日への活力を見出すために、就業外時間となるアフターファイブは、個人的

なことに時間を使いたい気持ちはよく分かります。基本的にはそうすべきでしょう。

 ただし、就業時間では忙しくてなかなか質問できないことや、本音で語れないことが多々あります。ですので食べながらまた飲みながらお互いリラックスした状態で本音で語り合う場を努力して作る人とそうでない人とでは、仕事においても大きく差がつくでしょう。また、そのような場を設けてくれることにまず、感謝しましょう!

 正にその小さな気配りが勝ち組と負け組を分ける岐路になります。

 真剣に仕事に取り組めば取り組むほど、人間関係を大切にしようとします。

本音で語る時間をつくろうとするのです。

 一昔前までは、「ノミニケーション」という言葉が流行りました。仕事を終え先輩や

上司とお酒を飲みながら本音で質問・相談・議論し、お互い分かり合う努力をしました。

 いい意味での競争関係は人間を成長させますが、本音で分かり合える人間関係を構築 する努力なしではお互い疑心暗鬼も望めないでしょう。

■仕事のルール7「名刺はいつも持ち歩き、切らさないようにしよう!」

 「あ!名刺を忘れました・・・。」

 最近様々な会社の若い社員さんのこんな声をよく聞くようになりました。

 我々が新入社員時代は上司から厳しく言われました。

 「ビジネスに生きる人間にとって名刺は命だ!武士にとっての刀と同じだ!もしこちらが忘れて相手が持っていたら、勝負ありだ!」と。

 ですので、何があっても名刺だけは切らさず絶えずチェックし持ち歩こうと細心の注意を払ったものです。

 ところが、今名刺を忘れる社員の多いこと多いこと! 驚くのは忘れても目上の相手の名刺をもらってケロッとしています。

 我々は場の雰囲気で恥ずかしいとか情けないとか自然と思わされましたが最近は忘れた本人も悪びれた様子もなく 「忘れちゃった。朝から忙しくてバタバタしてたからしょうがない」で済ましてしまいます。

 先日もある会社の営業部に配属になった新入社員が名刺を忘れ、上司に怒られていました。

 「お前、営業部でありながら、名刺を忘れるとは何事か!お客様に謝りなさい!会社に帰ったらすぐに名刺をいただいたお客様にお前の名刺を送りなさい!」

 怖い上司のおかげで新卒で就職してから、私はただの一度でも名刺を忘れたことがありませんでした。頻繁に忘れる社員さんをみると理解できなくなります。

 やはり自分が名刺を渡したにもかかわらず、いかなる理由があろうとも、名刺がもらえないと気まずいですね。

 名刺を頂けないとお付き合いを拒否された思いにさせられるのは私だけではないと思います。  近頃は「たまたま今名刺きらしてます」と堂々と偉そうに言う年配の人も増えているようです。相手に悪気はなくても「付き合う気がないから名刺を渡さないつもりだな」と嫌な思いにさせているのがわからない気配りのない人達です。

■仕事のルール6「人に不快感を与えない身だしなみや服装を心がけよう」

 ビジネスの世界において第一印象ほど大事なことも少ないでしょう。

 相手が超多忙であったり実力者であればあるほどです。

 もう二度とお会いできなくなることも往々にしてあります。勝負は最初にお会いするときの一回目ということが多いでしょう。

 そんな中で、第一印象ですべてが決まるということもよくあることです。

 人間としての中身はそう簡単に変えられないのですが、服装や身だしなみだけは相手に好印象を与えるよう気をつけたいものです。

 著名人や実力者など忙しい人のほとんどの場合、第一印象でその人と次にまたお会いするか、さらにお付き合いするかどうかを無意識のうちに決めているようです。

 どんなに若くても、また偉くても身だしなみや服装で相手に不快感を与える人は、本物の人から相手にされないでしょう。せっかくお会いするのですから、自分中心の身だしなみや服装をせず、できるだけ好印象をもってもらえるよう気を遣うのは、相手を敬うマナーとしてあたりまえのことではないでしょうか。

 よく自己アピールのために、偉い人や若い人はユニークな格好で現れることがありますよね。芸能人や工場で働いているような特殊な職業のため、たまたま職場から直行したなどの例外は除いて、できるだけお会いする相手が気を遣わない、また安心できるような身だしなみや服装を心がけたいものです。

 また、初めてお会いする人のみならず、毎日のように通う職場でも、周りの人が不快になるような身だしなみや服装は避けるべきでしょう。それだけで、あなたは評価を落としてしまうからです。

 場合によっては、意地悪されたり、いない時にみんなから非難されたり笑われたりもします。

    「服装の乱れは、心の乱れ」

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 初めて聞いたときに、なるほどと思いました。

 もし、会う人やまわりの人に不快感を与えていないという自信がなければ、素直に人に聞いてみたらどうでしょう。米国でも、超ミニスカートを職場にはいてきていた秘書ヨレヨレのスーツをきて来た新卒の男性社員、中途採用でお風呂にほとんど入らないので強烈な悪臭を放っていた上司などは、ほとんどの人から嫌われていきました。

 ちょっとした気配りです。

■仕事のルール5「お客様には元気よく丁寧に挨拶し、誠意をもって応対しよう」

 あたりまえ中のあたりまえです。

 でも、驚くことに多くの人が理屈でとらえているため義務的・事務的に行っています。最も大切である心が伴っていません。

 米国で経営コンサルティング会社を経営していたとき、「顧客が購入に際して最も評価することは何か」についてアンケートをしたことがありました。そのナンバーワン評価項目が、「元気よく丁寧に挨拶し、誠意をもって対応してくれる」ことでした。商品・サービスに関する専門知識でも、商品力でもなかったのです。

 ただ、これは理解できます。

 コンビニエンス・ストアーでも、もし近くにいくつかあれば、店員が元気よく挨拶してくれたり、誠意があるところに行くのは人間として自然ですよね。

 面白いことにこれは基本的なことなので、気配りのできる人は若くても教えなくても自然に出来ています。そういう人は根っから人に尽くすのが好きで、人が喜ぶことをすることが好きな人です。残念ながらその種の人はめったにいません。ですので、周りの人が教えるか、それが苦手な人でも率先して学んでいくしかありません。

 やろうとして簡単にできることではありません。

 多くの人は見よう見真似で行動はしてみますが、心構えがなかなかできません。

 米国で大手国際会計・経営コンサルティング会社に勤めていた際、接客のプロである上司がいました。

 当時彼はまだ40歳でしたが、彼が行くとなかなかとれない会社まで一発でクライアント(顧客)にしてしまいます。私は彼の営業のノウハウを盗むべく、できるだけいっしょにカバン持ちとして営業に連れて行ってもらいました。

 彼にとってクライアント候補は「一目ぼれした彼女候補」彼女になってもらうためには、喜んでもらえること、好きになってもらうこと、そのためには出来るだけのことをすると言っていました。

 その中で、最も大事なこととして、元気よく挨拶することと、いつでも面倒くさがらず誠意を持って応対することを挙げていました。  ビジネスで最も強い人は、お客様に好かれ味方にした人ではないでしょうか!